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ついに発見!育児しながら会社で仕事するのに必要な掟とは?

2014年4月21日

サイボウズ株式会社ビジネスマーケティング本部 BPM部 岩下 朗子 氏

今回のコラムでは、平成25年度東京ワークライフバランス認定企業のサイボウズ株式会社で働くワーキングマザーの岩下さんに、実践者としての立場から、仕事と育児の両立のとりまく状況やその秘訣について綴っていただきました。

 

※ 東京ワークライフバランス認定企業についてはこちら(東京都産業労働局ホームページへ)

 


サイボウズに入社してから一貫して、プロダクトマネージャーとして働いてきました。プロダクトマネージャーとは、市場調査を行い、ビジネスプランを立案し、仕様を検討し、他部署と協力してリリースまでのタスクを円滑に進め、リリース後の結果を分析し、フィードバックを次につなげ、プロダクトをより良いものにしていく活動全般の責任者。ある程度は自身の裁量で仕事をコントロールできますが、トラブル発生時には陣頭指揮を執るし社外との折衝も多いので、必然的に仕事の優先度は高くなります。

 

産休・育休後は子供を認可保育園の 1 歳児クラスに預けて8:00-17:00 の時差ありフルタイム勤務で復職しましたが、30 分以上は残業できないという制約下にあるため、現在はサブマネージャー的な位置づけでプロダクトのマネジメント業務を行なっています。


夫は遠距離通勤で帰宅が遅く、子供の起きている顔は朝ごはんの数十分間だけしか見られない生活。そのため平日の育児はほぼすべてわたしの担当です。子供の健全な睡眠を最優先に考えると、平日の親子に残された時間は本当に限られているので、できるだけ効率的に進めたい。しかしその事情は子には通用せず、毎日が時間との戦いです。イヤイヤ期の子供自身とも毎日戦っていますが...

 

そんな些細な戦いではなく、本当に真剣に戦わなければならないのが「子供の体調不良」。子供は保育園でさまざまな病気をもらってきては、突然熱を出します。そのたびに 1 週間まるまる登園できないことなんてザラで、そんなことがこの 1 年間で軽く片手に余るくらいにはありました。

 

夫にはこれ以上の育児への直接的な協力は(本人は望んでいても環境的に)望めないので、わたしがなんとかするしかない。実家の母にヘルプを要請し出勤することもありますが、近所に住んでいるわけでもないので彼女に甘えるのは週 1 回が限度と自分で線引きしています。それ以外の日は、基本的には子供と仕事の様子を見ながら、

 

  • ウルトラワーク(※)で自宅勤務
  • グループウェアで情報共有
  • Skype で会議に参加
  • 潔く有給休暇を取得

 

とスタイルを切り替えつつ柔軟に対応しています。

 

とはいえ、子供の看病をしたり、子供が中途半端に回復して(この期間が長かったりする)ちょっかいを出してくるような環境では、集中して仕事はできません。そこで上司と相談し、

 

「今日の勤務時間は 13:00-17:00、NHK 教育を見て話しかけながらだったので稼働率は 50%、実質 2 時間勤務でした」

 

などと、実稼働率を含めた形で勤怠を申告させてもらっています。

 

時短や残業不可という勤務形態には寛容な周囲も、突発休の多発まではなかなか理解してくれないことはよくあると思います。幸いなことに、わたしの上司のご家族はかつてお子さんを保育園に預けて働いていたため、彼はわたしの事情をとても理解してくれます。むしろ本人以上に状況を予測して、

 

「脅かすわけじゃないけれど、水疱瘡なら今週はもう出社できないかもしれないよー、来週前半でも大丈夫なように手配しておくから」

 

など配慮してくれるくらい。たいへん心強い上司に恵まれています。

 

しかしもちろん、わたしも自分の職務はできるだけ自分で取り組みたいし、仕上げたい。結果として完遂できないこともありますが、完遂するための努力を惜しまないことが、周囲に自分自身の仕事への「覚悟感」を示すことにつながると思っています。そのため、仕事を進めるにあたっては、以下を「掟」として意識しています。

 

1. プライオリティを設定する

 

締め切り間近のタスク、重要なタスクから手をつける。まあ当然です。

 

2. 細分化する

 

例えば「担当プロダクトの来期売上見込を社長に報告」といういかにも優先度の高いタスクも、 1.来期の市場を予測
2.今期の売上を把握
3.来期の売上を試算
4.報告書作成
5.報告

 

と細分化できます。それぞれ、
1. → 思考を投資するので、時間をかけてもなかなか形になる成果が出せないことがある
2.~4. → 考えることより手を動かすことが中心なので、時間に比例したアウトプットが出せる
5. → 社長の時間を確保しないとならないので、基本的に日時変更はできない

 

と、実は異なる性質を持っていることがわかります。まず1.に早めに着手して形にしておけば、あとは5.の日時から逆算して着手すればタスクは遂行できる。すると、2.~4.は優先度を下げられると判断できます。プライオリティが高いタスクばかりではプライオリティを設定する意味が薄れるので、本当に優先したいことだけをきっちり抽出しようと心がけています。

 

3. 共有する

 

突発休によりタスクを完遂できない事態に常に備えておく必要があります。いつでもバトンタッチできるように、急にバトンを受け取った人が困らないように、進捗と残っているタスクを明確にし、仕掛中のタスクも毎日メンバーに共有して退社する。サイボウズはグループウェアを開発している企業なのでツール類は充実しています。共有のためには実業務を少し早く切り上げる必要がありますが、これはリスク回避の保険として必要と割り切っています。

 

ある日のグループウェア上でのやりとり


イメージ

 

時間の制約があるときの対処として、「1.プライオリティを設定する」 は誰もがすぐに思いつくことで、わたしも時間に制約のなかったころから意識していましたが、「2. 細分化する」と 「3. 共有する」は最初はほとんど意識していませんでした。でもこの 1 年で試行錯誤して、周囲にも迷惑をかけて、自分も仕事をしたいのにできないジレンマで歯痒くて...という経験を通して、明確に意識しはじめました。これによりわたしの仕事のしかたは、客観的に見ても見通しと風通しが格段に良くなったんじゃないかと思っています。時間の制約がなかったころから意識していれば、もっと効率的に仕事ができていたと思う。もっとスキルアップしていて、社内評価も上がっていた気がしてなりません(笑)。

 

これからの課題としては、いかにスキルアップしていくか。この 1 年間は日々の生活で精いっぱいで、スキルアップのためのリソースを捻出しきれませんでした。時間的にもそうですが、精神的にも。育児がいちばん大事なことだからそれで充分じゃないかと思われるかもしれませんが、今までの貯金を切り崩しているような、焦りのようなものを感じることがあります。でも、子供の体力や免疫力は年々アップしていくし、わたしも慣れていくし、もっと工夫できる余地もあるでしょう。そしてなにより育児は長丁場。その「焦り」も大切に抱えながら、臨機応変に取り組めるように感度を高くあり続けることが重要だと感じています。

 

とりあえず、4 月に我が子の初めての「進級」、そして「後輩の入園」が信じられないです。成長したなー!

 

(おわり)

<プロフィール>
サイボウズ株式会社ビジネスマーケティング本部BPM部 岩下 朗子 氏
大学卒業後、大手メーカーの SEを経て 2005 年にサイボウズ株式会社に入社。プロダクトマネージャーとしてグループウェアや SFA/CRM 製品のマネジメントを行う。 2012 年に出産し育児休暇を取得、2013 年 4 月に復職。現在は cybozu.com のプロダクトマネジメントを担当

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