ページの先頭

ページ内移動用のリンク
ヘッダーメニューへ移動
グローバルナビゲーションへ移動
本文へ移動
フッターメニューへ移動
ここから本文です

シンポジウム
「ワーク・ライフ・バランス推進で備えよう!仕事と介護の両立」

平成26年11月7日(金)、東京ウィメンズプラザでシンポジウム「ワーク・ライフ・バランス推進で備えよう!仕事と介護の両立」を開催しました。

基調講演「『仕事と介護』のためのワーク・ライフ・バランス
~人も企業も“幸せ”になる働き方」

 土堤内 昭雄 氏(ニッセイ基礎研究所主任研究員)

 

イメージ・OECDが毎年発表している国別幸福度ランキングにおいて、日本は収入や教育、安全等の分野では高い数値を示しているが、ワーク・ライフ・バランスの数値は低い。経済が成長していっても、それに比例して人々の幸福度や生活満足度が上昇するわけではないという、先進諸国共通の「幸福のパラドクス」という現象が起こっている。私たちが幸せに暮らしていくにあたって、いまの働き方に大きな課題がある。

・日本は急速に人口減少社会を迎えている。労働力人口確保として女性の継続就業を進めるため、仕事と子育ての両立のためのワーク・ライフ・バランス推進の取組が進められた。働く女性が増えている一方、出生数は大きくは増加していない。男性が仕事をし、女性が家事育児をするという高度経済成長の成功体験が抜けきらず、女性は仕事も家事も育児も担わなければならない事態が生まれている。この問題の解決のためには、女性はもちろん、男性における仕事と子育ての両立が大事である。また、ワーク・ライフ・バランスの実現は企業にとっても大きな意味を持つ。経営者が企業を発展させていくうえで、いかに多様な価値観を持っているかが重要となる。

・仕事と介護の問題を考えるにあたって、まず、家族の形が介護に非常に大きな影響を持っているということがある。現在、中高年も含めて一人暮らしが増えている。親の介護に直面した時、男性であれば、従来は配偶者である妻がその介護を担うという選択肢があった。男性の生涯未婚率が20%を超えたいま、配偶者や子供のいない男性も多い。また、配偶者がいても働いているために介護を担うことが難しい場合もある。事業者による介護が増えてきたとはいえ、現在でも主な介護の担い手は同居する家族が6割を占めている。男性も介護の担い手とならざるを得ない状況になっている。

・今はケアの社会。介護、子育て、療養等、自分や他者のケアをしながら働くのが当たり前の時代になってくる。働く人はみんな何らかの時間制約を抱えて働いていくことになる。その中で、どうすれば企業は業績を上げていけるのか、どうすればそういった組織が作れるのか、どうすれば制約を抱える人が働きやすい人事マネジメントができるのか。こういったことが、これからの企業に求められる重要なテーマである。

・個人が幸せに生きていくためには、「働く」ということをもっと広く考える。仕事をして給料を稼ぐこと、子供を育てること、お年寄りの介護をすること、地域で何らかの役割を果たすこと、すべてが「働く」ことである。

パネルディスカッション「企業事例から見る仕事と介護の両立支援」

イメージコーディネーター 土堤内 昭雄 氏

パネリスト

・新井  妙子 氏 (共同印刷株式会社 人事部 人材開発課長)

・塩入 徹弥 氏 (大成建設株式会社 管理本部 人事部 人材いきいき推進室長)

 

<会社概要・取組事例>

○共同印刷株式会社
事業内容:出版商業印刷、データプリントサービス、ICカード、生活・産業資材およびデジタル関連サービス
従業員数:1,862名(単体)
取組事例

・両立支援の取組は2005年から行っている女性活躍推進の取組(”Bright Women Support Plan”)が起点。「女性社員の登用促進」「女性の能力発揮支援」「仕事と家庭の両立支援体制の整備」の3本の柱からなる。両立支援については社内の理解が進み、法を上回る制度を順次整備。社員からも評価されている。

・制度としては介護休業制度、介護休暇制度、勤務時間短縮制度。介護事由退職者の再雇用制度もある。

・2008年に介護に関する全社アンケートを実施。これを基に規定の改定や介護セミナーを開催

・介護セミナーは初心者と実践者に分けて開催。初心者向けには介護保険制度の解説や社内の介護経験者による体験談の発表。実践者向けにはケーススタディーや自分の体験を話し合うグループワーク。両方とも良い情報交換の場ともなり、社員からは好評である。

・人事部に仕事と介護の相談窓口を設置。また、育児休業の際の取組にヒントを得て、介護休業取得者についても、本人、上司、人事での連絡会を開催。制度の紹介や情報共有を行う。

・介護だけでなく、育児やその他生活のトラブル等、困ったことがあれば、人事や上司に相談する風土がある。情報提供等の取組を継続して行うとともに、働き方の見直しもできるところから進めていきたい。

など

○大成建設株式会社
事業内容:建築・土木工事の設計・施工、都市開発、不動産 等
従業員数:7,951名(就業人員)
取組事例

・2006年、経営方針の1つとして女性の活躍推進に取り組むことを決定。取組を進めるなかで、女性も男性も介護に対し不安を抱いていることが判明。会社として仕事と介護の両立支援に取り組む。介護に注力することを支援するのではなく、介護に直面しても仕事を辞めずに済むよう、できるだけ情報提供を行うことに主眼を置く。

・介護保険制度や介護に関する会社の制度をわかりやすく紹介したものを社内イントラネットに掲載し、リーフレットとしても発行している。

・介護に関するアンケートやヒアリングを実施し、社員のニーズを把握。セミナーのテーマ設定や制度改定に活かす。

・管理職対象のマネジメント研修の中で、介護に関して部下から相談を受けた際に必要な情報や心構えについても伝えている。

・制度としては介護休業、介護休暇、繰越期間を満了した有給休暇を介護に利用できるリバイバル休暇、勤務時間の繰り上げ・繰り下げ、勤務地変更制度やジョブリターン(再雇用)制度など。介護休業は2014年4月に制度を拡充し180日取得可能に。介護休暇については取得する社員とその日数は年々増加している。

・建設業という仕事柄、社員は全国いろいろな場所で働いている。2014年4月の制度拡充に伴い、介護に係る制度や相談窓口の連絡先などをまとめたリーフレットを、社員組合と連携し組合員を通して様々な場所で働く社員に配布した。また同時に全社員を対象にe-ラーニングも実施し情報伝達の強化を図った。情報提供は地道に継続して行っていきたい。

・仕事と介護を両立している社員の心理的負荷の軽減策も検討していきたい。

など

参加者からの質問

Q 仕事と介護を両立し短時間勤務等で働いている社員に対して、その同僚は事情は理解できる一方、業務の配分等の問題もあり、複雑な心境になると思う。職場の理解を促すためにどのような働きかけをしているか。

○新井氏(共同印刷株式会社)
休業取得者本人、上司、人事で行う連絡会で、情報共有するとともに、人事からは上司に対し、「今後は育児や介護などで制約がある社員が増えていくのだから、両立支援は会社としてしっかり取り組むべきだ」というメッセージを強く伝えている。こうした働きかけによって、制約を抱える社員の受入体制が整備できている。

○塩入氏(大成建設株式会社)
育児や介護など様々な事情を抱えながら働くことになれば、周りの同僚に負担が行ってしまうのは避けられない。お互いさまの意識を持ってもらわないと取組は進まない。お互いさま意識を醸成するために、1人でも多くの社員にセミナー等に参加してもらえるよう働きかけている。

 その他、会場から多数質問があり、コーディネーターとパネリストから様々な事例紹介やアドバイスがされるなど、仕事と介護の両立やワーク・ライフ・バランスの推進について活発な議論が行われました。

イメージ

ここからフッターメニューです