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セミナー等情報【東京都】

経営トップ層のための女性活躍推進シンポジウム「トップが率先して社内の意識を変える!」を開催

平成28年11月11日(金)、東京ウィメンズプラザで経営トップ層のための女性活躍推進シンポジウム「トップが率先して社内の意識を変える!」を開催しました。

基調講演「『女性にやさしい』からその先へ~意識改革はトップが鍵を握る」

講師 浜田 敬子 氏(朝日新聞社 総合プロデュース室プロデューサー/AERA前編集長)

基調講演「『女性にやさしい』からその先へ~意識改革はトップが鍵を握る」 の様子・この30年近く、女性は日本経済、世界経済に翻弄されてきたという印象を持っている。男女雇用機会均等法の施行や、バブルの影響で、多くの女性が採用された。希望に燃え、総合職として入社したが、会社がどう使っていいかわからず、どんどん転職・退職していってしまった。バブルが崩壊すると、特に女子学生の採用は絞られてしまい、その結果、今、女性の管理職を登用しようとしても、40代の女性がほとんどいないといった状況がある。

・99年以降、企業はある程度女性社員の採用を復活させ、その時代に入社したポスト雇用機会均等世代の女性が、今の企業の主力となっている。この頃から両立支援制度が整ってきたため、女性も就業継続ができるようになってきた。

・均等法世代が徐々に管理職に登用され始めた頃、AERAにて女性管理職のフロントランナーを連載として取り上げた。2003年には「主要95社調査、女性登用で会社伸びる」という記事を掲載。配慮をするよりも、正当な評価をすることで女性は伸びるし、結果として会社の業績もよくなるという問題意識は、13年前に既にあったことがわかる。今、同じタイトルで記事を掲載しても通用するだろうことを考えると、企業にも女性にも問題意識があったにも関わらず、長年日本は変わってこなかったと言えるだろう。両立支援制度を先に始めたおかげで、女性が長く働けるようになった一方で、正当に評価されていないという事態が起きているのではないか。

・昨年7月、AERAにて「一生ヒラではできない仕事がある」という特集を組んだ。資生堂では、それまで出産後の美容部員について土日や夜間の勤務を免除していたが、マネジメント職・リーダー職に就いてもらうためのスキルアップや、独身社員や子供のいない社員との間の不公平感の解消のため、出産後も、できる人には土日や夜間の勤務も行ってもらうといった、人事戦略の見直しを図った(資生堂ショック)。それがあるニュース番組にて、業績が悪くなったために出産後の女性への配慮をやめたという誤った文脈で報じられてしまったが、本来の主旨としてはもっと女性を戦力として見なしたいという戦略的な見直しであった。

・女性に対する両立支援制度を充実させてしまったために、女性(特に出産をした女性)に対して、過剰な配慮が行き渡っている。本当は18時まで働けるけれど、フルタイムを選択すると際限なく仕事を振られるから、16時までの時短勤務を選択し、18時半の保育園のお迎えまで時間をつぶしている女性もいるという。一方で、両立支援制度を使うのが女性に偏ってしまったため、男性は家事育児をしなくてもよいという意識になってしまい、結果として、女性は時短勤務、マミートラック(※)、男性は長時間労働という男女の役割分担が固定化してしまった。

・女性に優しいだけでなく、企業としてその先を目指すために今必要なのは、両立支援から均等支援に移行することであり、男性も含めた全体の働き方改革を行っていくことである。そのためにも、トップの言葉・決断・イニシアティブが重要となる。

・トップに率先して取り組んでいただきたいと考えていることが3つある。

  1. 長時間労働改革
    両立支援制度が整っていても若手女性の不安が消えないのは、長時間労働をして男性並みに働かなければ、昇進できないという思いがあるからである。そのためには長く働くよりも時間当たりの生産性で評価できるよう、評価制度を見直す必要がある。
  2. 女性のキャリア支援
    なぜ女性が昇進を躊躇するのか、企業としてフォローをしたり学びの場所を与えたりしているか、トップ自らが気づくことが重要。本気になれば、サポートの方法はいくらでもある。
  3. 「制度より風土、風土より上司」、中間管理職でもできることが多くある
    トップの意識も大切だが、一部門の部長クラスの意識が変わるだけでも、働く環境は変えられる。男性管理職の意識改革や、女性管理職の数を増やすことで、会社全体を変えていくことができる。女性が増えると、結果的に働き方が変わらざるを得ない。「多様性」の本来の意味とは、立場を越えて、いろいろな意見・価値観の人が混ざり合って、様々な発見があるということであり、それが新しい価値観を生むこともある。そういったことをトップが正しく理解し、意識していくことが必要である。

(※)マミートラック
  子育てをしながら働く女性が、職場復帰後に仕事の内容が限定されてしまったり、昇進にあまり縁がないキャリアコースに固定されたりすること。

パネルディスカッション「企業トップ層から見る女性の活躍推進」

パネルディスカッション「企業トップ層から見る女性の活躍推進」の様子コーディネーター:浜田 敬子 氏
パネリスト
・山村 俊夫 氏
(エームサービス株式会社 代表取締役社長)
・金子 靖代 氏
(株式会社シーボン 代表取締役兼執行役員社長)

<会社概要・取組事例>

○エームサービス株式会社

事業内容:受託給食(顧客の施設にて飲食等を提供) 等
従業員数:約26,000人(単体)内、約20,000人が女性
(正社員:約4,000人 内、約2,100人が女性)

取組事例

・「女性活躍」に限らず、多様性を認めた上で、全従業員が働きやすい職場環境を目指している。現場には、女性・男性だけでなく、高齢者、障害者、外国人の方もおり、様々な価値観とバックグラウンドを持った人々が、一緒に一つの目的に向かって働くことになる。あらゆる人々にとって働きやすい環境をつくっていくことが、一番の経営課題だと考え、全従業員に向け自らメッセージを発信した。

・働き方改革と、ワーク・ライフ・バランスの実践が重要と考えている。毎年一回、従業員満足度調査を行っており、その結果を反映させた職場環境の改善を目指している。また、ワーク・ライフ・バランスについては、ライフイベントと仕事を両立する仕組みづくりや、社風の醸成などに取り組んでいる。そのためにもっとも重要なのはコミュニケーションであると考え、社内のイントラネットにてメッセージを発信したり、その内容を踏まえ、各現場で話題にしてもらったりしている。

・今年の春より、役員の本部長以下、全管理職の業績評価の中に、「職場環境改善」の項目を入れ、高い比率で評価をするようにした。トップ主導で実施をはじめ、いかに本気で社内の意識を変えようとしているのか示した。
など

○株式会社シーボン

事業内容:化粧品製造・販売、美容サロン 等
従業員数:1,159名(パート社員含まず。パート社員:約450名)
女性管理職率 87%

取組事例

・お客様満足度(CS)と従業員満足度(ES)を両方バランスよく強化し、会社自体が成長していくことを目指している。

・ウェルカムバック制度(2012~):育児・介護等の事情で仕事を離れた社員が復帰しやすいよう、サポートするシステム。

・ES向上推進室の設置(2013~):ES向上のための取組を専門的に行う部署。制度の一方的な押し付けではなく、現場の声を聞き、会社へフィードバックする流れをつくりたいという思いがあり、設置した。

・ショートタイム正社員の導入(2014~):生産性の高い仕事をしていれば短時間勤務を選んでも構わないという考えから。一度正社員からパートになるとキャリアはストップしてしまうが、この制度を活用すると正社員と同じ評価制度でキャリアを積むことができる。時短の管理職も、店長を含め10名が活躍している。時短の店長がいない時間はチーフ・サブチーフが店長の代わりをすることで、店長職の経験を積むことができ、キャリアアップへのハードルが低くなるというメリットもある。

・Family Day(2015~):家族(子ども、夫、親等)に職場へ来てもらう。職場体験等を行うことで、仕事への理解が深まり、家族のサポートが得られるようになる。一方で、支える側の独身社員・出産前の社員にとっても、自分が同様の立場になった際のシミュレーションができ、有益である。また、職場の雰囲気が良くなるという効果もある。

など

<質問>

Q 今、企業では、トップが熱心に社内の意識を変えようとして、「粘土層」と呼ばれる男性を中心とした中間管理職が動かず、なかなか改革が進まないという悩みが多く聞かれるが、お二人はどのように働きかけてこられたのか。

○山村氏
「職場環境の改善」を評価項目に入れ、強制的に改革を進めるほかに、トップ自らが、粘り強く何度もメッセージを発信し、いかに本気で改革を進めようと思っているのかを示していくことが重要であると考え、実践している。

○金子氏
女性中間管理職が自分は部下のロールモデルであることを意識して働くことも重要だと考える。「大変だ」とばかり聞いていると、部下もキャリアアップを躊躇してしまう。大変だけど楽しいことも多くあり、それを意識的に発信していくなど、責任と自覚を持って働いてほしいと言っている。

<会場からの質問>

Q Family Dayのように、親だけが子どもを育てていくのではなく、社会全体として、協力し合って子どもを育てていくような制度が、今後重要になってくると考える。お考えがあればお聞かせいただきたい。

○金子氏
子育てをしている方の話を聞くと、上司や周囲のサポートで一番ありがたいのは、早く帰れることではなく、子育ての悩みを相談したり、経験者のアドバイスが聞いたりできることだという。それができるような環境があれば、精神的な支えになり、職場への満足度や仕事へのモチベーションへもつながっていくと考える。

○山村氏
男女に関係なく、仕事を含めた生活・人生の悩みを共有できるような環境、十分にコミュニケーションを取れるような環境づくりが重要だと考える。また、制度面でも、出産・育児休暇を取得した方が抱える職場復帰への不安を軽減できるように会社としてフォローをし、働き続けやすい環境をつくっていくことが、社会的にもその方を支えることにつながっていくと考える。

○浜田氏
コミュニケーションの面においては、会社側だけでなく、本人も努力が必要であると考える。どういう状況で、どう働かせてほしいのか、どこまでなら責任を持ってできるのか等、権利主張をするだけでなく、希望を言う代わりに責任を持って仕事をするという意思を発信していくことで、相互の誤解も減り、不公平感も軽減していくのではないか。

その他、活発な議論が行われました。

経営トップ層のための女性活躍推進シンポジウム「トップが率先して社内の意識を変える!」の様子

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