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東京都女性活躍推進大賞

(2)パネルディスカッション 「意識を変える!風土が変わる!新たな時代の女性活躍」

[コーディネーター]
経済ジャーナリスト/昭和女子大学 現代ビジネス研究所研究員
治部 れんげ 氏

[パネリスト]
東京都女性活躍推進大賞 受賞者

DACグループ 代表取締役社長 石川 和則 氏
武蔵村山病院 副院長 原澤 有美 氏
芝浦工業大学 学長 村上 雅人 氏
特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク 理事長 栗林 知絵子 氏
堤 香苗 氏(株式会社キャリア・マム 代表取締役)

【はじめに

治部氏

○春から施行される女性活躍推進法の影響もあり、女性活躍への関心も高まっている。

○東京都は、交通が便利で、就業継続をしたいというキャリア志向の女性が多いという背景もあり、女性の活躍推進に先進的な自治体である。

○昨年の8月には都庁で「女性が輝くまち・東京シンポジウム」が開催され、ここ東京ウィメンズプラザにおいても、「笑顔で働き続けたいママへの応援プログラム」等様々なプログラムが実施され、能力を発揮したい女性への応援が行われている。

各団体・個人の取組について

<DACグループ> 石川代表取締役社長

○1980年代には、育てるという意識をもって、女性社員の採用を進めていた。

○DACワーキングスタイルという、結婚、出産、復帰の手引きを作成している。時代に合わせて内容を進歩させてきた。また、13人の女性部長を紹介した冊子も作成している。

○1980年代は広告業界における女性の採用については難しい時代であった。会社の意識を変える必要があったが、男性の意識を変えるというのは、女性の意識を変えるより長い時間がかかっ

○1980年代に女性社員の募集の際は、働きやすい環境整備を行った。具体的には、保育費の会社負担や時短の推進等を行った。

治部氏

○女性活躍推進やダイバーシティの分野で働いている方々が苦労するのが、どうやったらトップのコミットメントが取れるかということ。どうしたら男性のトップに近い人の意識が変わると思うか。

石川代表取締役社長

○まだ当社でも変わっていない部分があるが、手段の一つとして、女性活躍推進が進んでいる北欧の国への視察研修を行い、世界の実情を見ている。

○長くやらない限り会社の成績が良くならないという長時間労働の意識を変える必要がある。

治部氏

○長時間労働をなくすことは子持ちの男女を問わず、みんなにメリットがあるが、これによって業績はむしろ上がるのか。

石川代表取締役社長

○当社は業績が上がっている。

<武蔵村山病院> 原澤副院長

○当院の取組は働きやすい病院を目指しており、開院当初から全職員の両立支援を目指して少しずつ工夫をした。その結果、平成22年に第三者評価を受けて「働きやすい病院」の認証を得た。

○課題の第1は女性医師や職員の就業継続である。常勤医師の週4日勤務や当直免除を可能にし、日曜・祝日を含む24時間保育が可能な託児所を設置した。第2は職員間の公平性確保で、定期的な職場満足度調査を行っている。まだ取組の途上であるが、女性医師比率や有給休暇取得率の増加等に成果が出ている。

○課題としては、女性医師の勤務時間の調整や、当直の免除をすることによって、男性医師の負担が増えることも考え、給与面での保障など柔軟な制度を模索して、実行していく必要がある。

○女性医師や職員の活躍は院全体の働きやすさが基盤になっているものであり、男女や職種を問わず、提供されるべきと考える。

治部氏

○人の健康や命を守る医師や看護師等の健康を保つ意味での病院で働く方々のワーク・ライフ・バランスというのは重要だ。

○医師の有給休暇取得率が高いのは子持ち等の家族形態を問わず高いのか。

○一方、医師はなぜ休めない、休みにくいのか。

原澤副院長

○全体的に当院の値は、家族形態に関わらず、高いと思う。

○医師の仕事が単に診療だけでなく、研究や教育も含んでいることが要因の一つではないか。

○一方、当院が高い有給休暇取得率を維持できているのは、医師の仕事を医師以外の職種の職員が、積極的に関与し、協力していることがあって実現しているのではないかと感じる。

治部氏

○取材の中で、医療とは別の業界であるが、流通業の女性店長が店長業務をスタッフに振り分けることで、労働時間を削減したケースがある。必ずしも医師でなくても構わない仕事が慣例的に医師の仕事になってしまっていることを踏まえて、仕事の見直しをすることも重要になってくると感じる。

<芝浦工業大学> 村上学長

○学生数が8,400名であるが、女子学生は1,100名で13%程度である。将来的には30%まで上げたいと考えている。また、女性教員は現在12%まで引き上げたが、私が大学に来た2003年はまだ数%であった。

○グローバル戦略の中で、大学創立100年の目標として、アジア工学系大学トップテンに入るべく、男女共同参画推進を含めたダイバーシティ推進先進校を目指している。

○一方、学問や研究の場では、ダイバーシティが必要であり、多様な環境の中でイノベーションが生まれると考えている。こういった背景のもと、男女共同参画を推進してきた。

○私が学長になった時、男女共同参画推進を積極的にやると宣言し、男女共同参画推進室を設置した。ほか、女性教員の積極的採用、啓蒙のための学内シンポジウム、女性教員のネットワーク形成、ワーク・ライフ・バランスに対する支援を実施している。

○今後は2027年に向けて、女性教員25%、女子学生30%、職員の管理職登用30%を目標としている。

治部氏

○学部の段階で女性が少ないセクターであるにも関わらず、女性を増やさなければならないと考えた理由を改めてお願いしたい。

村上学長

○海外では、女性の研究者が多いのが当たり前であり、そういう多様な環境の中でイノベーションが生まれるという実感を持っていた。芝浦工業大学に赴任してきた際、女性が少ないと感じた。学内の先生には、海外の状況をデータで説明し、多様性の中からイノベーションが生まれていることを説いて、男女共同参画推進の意義を訴えている。

治部氏

○研究者としての世界との厳しい競争と女性のライフステージ(出産、育児等)が重なってしまう部分についてどうお考えか。

村上学長

○研究の継続性を心配するのは理解できるが、空白期間を設けることで、逆に、新たな発想が生まれるという前向きの捉え方も必要と思う。もちろん、大学としては、支援員の配置を含めた研究サポートの整備は行っている。

<特定非営利活動法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク> 栗林理事長

○困ったことを抱えている子供達やシングルマザーの支援を地域でやっており、色々な形の居場所づくりを行っている。活動しているスタッフ、ボランティアの8割以上は女性です。色々な地域の人や学生や子供達がつながって、その子供にとって何が必要か、どんな場所があったらいいかということを考え、どんどん活動の輪が広がっている。

○子供の貧困により、将来、社会的に2.9兆円の損失を生み、1.1兆円の財政負担が起きるというデータもある。つながりを作り、小さい頃から多様な価値観に触れることは、貧困の連鎖を断ち切ることにつながる。

○子供と居場所をつなぐ、人と人をつなぐ、場をつなぐ、そういうおせっかいさんを地域でたくさん増やすことによって、子供や親の声をキャッチして、制度につないだり、伴走支援ができる。

治部氏

○豊島子どもWAKUWAKUネットワークに関与している人はどれくらいの数がいるのか。またその中に女性がどのくらいいるのか。

栗林理事長

○関与している人は約450人。中には高齢の一人暮らしの方やご飯を作るくらいなら手伝えるといった女性の方も多く活躍されている。

治部氏

○どうすればこういった活動を持続可能にしていくことができるか。あるいは、家庭等がある中で、社会的に意味のあるこのような活動と個人の生活等のバランスをとっていけるのか。

栗林理事長

○核となる者は全員地域の人間であって、そのため暮らしと直結して無理なく支援を行っている。緩やかに人々がつながっており、それは区の福祉課であったり、弁護士のような専門的な方もいる。核のメンバーが抱え込むのではなく、色々なおせっかいさんが多くいるので、各人の負担が減り、地域の子供や親のニーズにあった支援を受けられる形を作っていく。

<株式会社キャリア・マム代表取締役堤香苗氏)堤氏

○「ドレミファぱれっと」という親子のイベントを開催し、母となった女性は周りに気を使い、自分らしく生きていないということに気付いた。この経緯からキャリア・マム事業部を立ち上げた。

○20年前以上前から、誰でも、いつでも、どこでも、自分の得意なことを自分のやりたい量だけ、インターネット、パソコンを駆使して、自宅で働ける仕組みを「共同請負型在宅ワーク」としてやってきた。ワークシェアやテレワーク、ワーク・ライフ・バランスのはしりのような形である。

治部氏

○今ほどインターネットが普及していなかった時代に、イベントにお母さんとお子さん500組が集まったという実績は素晴らしいが、どうやって多くの方に来ていただいたのか。

堤氏

○障がいのある親御さんも御一緒にという形で実施したのが、新聞等マスコミで取り上げられた。色々な値観やあり方、障がいも含めて色々な個性として、男性、女性、日本人、外国人等を気にしないで、みんなが尊重する世の中を作ろう、ということを趣旨として、イベントでは伝えたかった。

治部氏

○セミナーに参加された方が自分もやってみようと思う、自己肯定感が高まっているということは素晴らしいことだと思うが、どのようなお話をされているのか。

堤氏

○損得で働くのではなく、それが面白いか面白くないか。自分の人生を面白くするのは自分自身であるということ、また、自己肯定感の低いお母さんは絶対に自己肯定感の高いお子さんを育てることはできない。まずはお母さんが自分のことをこのまま好きになって下さいということを伝えている。

治部氏

○多摩部のような郊外は通勤時間がかかるので、特に夫が長時間労働だと、家事・育児の負担が大きく、再就職などに対するハードルが高いように思われるが、都心部と郊外ではお母さん達のマインドというのは違うのか。

堤氏

○おっしゃるとおり、都心に1時間近い通勤時間をかけることは難しく、一方、自分達の地域に自分が納得する働き口はなかなかないと感じる人もいるが、女性が本当に自分らしい働き方や生き方を望む時に、起業というやり方もよいと思う。市町村部であれば、その地域の中で、自分ができて、周りも喜んで元気になる働き方は絶対にあると思う。

さらに内容を深掘りして

治部氏

○DACグループでは既に管理職の女性比率は3割を超えている。今度は役員を3割にしようと頑張っていらっしゃるが、管理職を3割と役員を3割では取組が異なるか。

石川代表取締役社長

○30年前から「公平」という考え方を基に、取り組んできた。能力があって、結果を出している人にそれに見合う対応やチャンスを与える。この取組が30年間で女性の役職を増やしてきたと思う。
また、「任せるよ」と伝え、女性を育ててきた。

治部氏

○「公平」というのは非常にしっくりくるお話だった。

○芝浦工業大学はトップのコミットメントをはっきり出されているが、どこがボトルネックになるか。

村上学長

○日本社会そのものの意識はまだまだ低く、それが女性活躍を進めるうえでのネックである。

○ある大学では女性枠が非難され、男女同枠(実体は女性枠)を作ったら文句がでなかったという。そういった創意と工夫も必要である。

○いずれ、日本の社会全体が男女共同参画の意義を共有することが重要である。

治部氏

○ぜひ都内の色々な大学に村上学長の話を聞いていただきたい。

○女性は特有のライフイベントがあり、育児をどうやっていくか、女性だけの問題ではないけど、そこは課題になってくる。武蔵村山病院の24時間託児室の利用状況はどんな感じか。

原澤副院長

○あらかじめ夜間の24時間の保育ができるスケジュールを託児所から提示し、看護師の勤務表を作る時、必要な人に割り当てるような形をとっている。

○大体1日3人から10人程度、夜勤が始まる時間帯から翌朝まで行っている。1年間で延べ250人から300人くらいの件数を扱っている。

治部氏

○豊島子どもWAKUWAKUネットワークの活動について、地域全体の関与が必要だと思うが、行政との連携でもう少し強化したいことなどはあるか。

栗林理事長

○行政の制度につながらない子供達、グレーゾーンの子供達が今増えており、そのサポートは地域ができると思う。グレーゾーンの子供達をうまく制度につなげたり、情報共有の部分で行政と連携できたらいいと思う。

治部氏

○株式会社キャリア・ムで実施されている、「共同請負型在宅ワーク」について、具体的にどんな業務に皆さんに取り組んでいるのか。

堤氏

○インターネットでレストランなどの評判型のホームページのコンテンツの中身を作っている。具体的に言えば、実際に御利用されている、主婦やお母さんなどに取材することや、写真を撮ったり、あるいはそういったお店を開拓するための営業電話を行うなどして、コンテンツを作成している。

○インターネット社会の中で、在宅でできることは非常に増えてきている。

最後に

治部氏

○女性の活躍推進について、それぞれ皆さんが確固たる信念をもって、取組を行い、実績を出されている。色々なことができるのだな、ということがわかってもらえたと思う。

○一つ一つの取組は、業界を超えて、色々な企業や団体で応用できるのではないかと思う。

 

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